どうせ撮影するなら景色がいいところがいい
前回のエントリーでオリンパス TG-4のフィッシュアイコンバーターにいたく感激し、早速次のライドでカメラを使ってみたくなるのは当然の流れ。
「広角で広々とした景色を撮りたい!!!!」
「開けた場所からの眺めのいい景色が撮りたい!!!!」
となると、行先はおのずと決まったようなもの。
そう、山です。ヒルクライムのご褒美として眼下に広がるパノラマ風景を新しいカメラで収めずして何を撮影すればいいのでしょうか!!!???
行きつけの洋食屋の「ハンバーグとカニクリームコロッケ定食」を撮影しても数アングル撮影しただけで飽きますし、店主から「いつもアイフォーンで写真撮ってるのは見かけてたけど、急にカメラ持ち出してハンバーグとかカニクリームコロッケの写真をアングル変えて撮りだして、なんか変わったものでも食べておかしくなったか」と見られるだけだし、そんな写真を撮ったところで、家に帰って写真管理ソフトで振り返ることは2度とないでしょう。
じゃあ具体的にどこ行くよ
ちょっと前に上った入山峠の頂上付近、八王子川から登ってトンネルをくぐった後、ヴァァァーーーット広がる風景が印象的だったので、そこは登って写真に収めたい。
それと風張峠を登って、ちょっと下ったところにある月夜見第一駐車場からの奥多摩湖を望む眺め。
これらを含めた、こんなルートを引いてみました。
引いてはみたものの、獲得標高:2538m。
110㎞で2500m。
勢いというのは怖いもの。最近、ヒルクライムが含まれるコースや、ヒルクライム(風張峠、入山峠、筑波山)に行くことが増え、2000m位行けるでしょう、と鋸山(大ダワ)を含めたコース設定。
当日、ちょっと寝坊。土曜日だったので、新宿で「ホリデー快速あきがわ号」に乗ります。この列車は前4両が武蔵五日市駅行き、後ろ6両が奥多摩駅行きなので、前4両に乗る必要があります。停車駅が少ないので割と早めに武蔵五日市駅へ到着します。
今回から輪行袋にエンド金具の不要なモンベルの「コンパクトリンコウバッグ」を使ってみました。エンド金具が必要無くなったことで荷物が減らせることと、輪行までの準備が素早く行えてすごく楽です。ずっと在庫切れだったのですが、入荷して即買いしました。
武蔵五日市駅の到着が9:21で、コインロッカーが空いているか、ドキドキだったのですが、なんとか確保し(空いていたのは残り2つでした)不要な荷物はロッカーに収め、出来る限り軽くして出発です。
秋川街道から八王子方面へ。まずは、入山峠に入る曲がり角の近くのコンビニを目標に9㎞程度の道のりを進みます。
コンビニでは即効性の高いジェル状のウィダーinゼリーを注入。
最近、朝イチ最初のヒルクライムでエネルギー不足なんじゃないか、と思われる力の入らなさ、というか、そういうのもヒルクライムでは気を付けないとならないなーと感じていて、上る前に胃に負担のかからない程度で、積極的にエネルギーを取るようにしてます。あと、夏の暑い日に思わず水分を取り過ぎて、逆にタプタプで気持ち悪くなったこともあって、ライド中の体調管理の難しさを感じています。
この日の入山峠、前日まで降り続いた雨のせいで路面が濡れてます。スリッピーな路面のため、特にダンシングでのペダリングで空転しないように気をつけて登り始めます。
約1週間前、同じ入山峠を登ったときは、アウターだけで登ったのですが、今日はこの後のヒルクライムも控えているため、インナーも駆使しし足を残した状態で登ろうと心がけ、タイムは気にせずに登ります。
入山峠のトンネル抜けての………絶景で休憩&撮影大会です。
オリンパス TG-4のフィルターが面白くて、「ドラマチックトーン」で撮影すると、同じ風景がこんな感じ。

お約束の登頂記念をフィッシュアイコンバーター付きで撮影したけど、ちょっとわかりにくいかな。

入山峠の下り途中の林道で。


入山峠を下って、次は都民の森。登る前に武蔵五日市駅側、最後のコンビニに立ち寄って水やらおにぎりを補給。もう昼だったのでおにぎりがお昼後はのつもりでいただきます。
檜原街道を進んで、「上川乗」の交差点、「上野原」と分岐するところまでは、そんなにキツくないかなぁ。そこからが本格的なヒルクライムのスタートと思ってます。
旧料金所までで、キツいのは、前述の上川乗の分岐直後とヘリポート前、数馬の湯辺りかな。
この日は2500mアップということもあり旧料金所で休憩。

ここから都民の森までちょっとなんだけどなぁー。そのちょっとがキツいんだよなぁ……。(水曜どうでしょうのサイコロの旅における深夜バスよろしく、次の写真はもう登ってたりするんですけども…)
はい。到着。
本番はこれからですからね。さっくり風張峠を越えて奥多摩湖まで降ります。




疲れた体に塩分補給と休息を。
矢久亭で山菜そばをいただきます。
食べ終わった時点で結構いい時間だったんですが、とりあえず、大ダワへ向かってペダルをこぎ始めます。
サイコンのGPSナビがここを曲がれと指示してます。
あー、ここか。とうとう入り口に辿り着いたんだ。せっかく来たんだし登っておくか、と大ダワへハンドルを切ります。

ハンドルを切って、登り始めましたが、キツい。
入山峠、風張峠を越えて、どの位脚が残っているかかなり微妙な状況だったのに登り始め、平均して10%を越える勾配に心が折れそうになります。
さらに「結構いけるかな」と思った割にペースが上がらず、日没も迫り戻ろうか悩んだのですが、引き返すのも憚るほど道が悪く、この勾配のダウンヒルも怖いし、もう登るしかありません。
とにかく道が悪かった。
落石やらアスファルトが禿げてしまっている箇所もあり、ジグザグ蛇行しながら登ることも出来ず、ただ、ひたすら軽いギアで耐える状況が続きます。
暫く進むと目の前が開けてこんなところまでよく来たなーと思わせる箇所があるのですが……。

おー、なんか遠くに白いのが見えるぞ…、もしかしてアレは道路…?
この先、あんなに奥まで進んで、更にあそこを登って行くのかと思うと絶望的な気分に陥ります。

しかもなんだ、あのガードレールに続く稜線の角度……。
ヒルクライムが続いて最後に大ダワを登るもんじゃないですね。もう全然脚が残ってなくて、10km/hに満たないスピードでよろよろと登っていきます。
とにかく人とすれ違わないわけで、つまり、ここでパンクした場合の状況を考えると、パンクも許されない状況で、慎重にペダルを漕いでいきます。
しかし、この先にある大きな石に向かっちゃダメ、と思うとそこに視線が向かっているため、自転車が自然とそちらに向かっちゃうのなんなんでしょうね。
そして7km弱、獲得高度訳600mを1時間かけて登り切りました!

あー、辛かった。今までで一番辛かった。
何が辛かったって、路面状況が悪くてとにかくスリップしないように、大きな石を踏まないように慎重ならざるを得ませんし、走れる箇所が制限されてる分、ジグザグでやり過ごすことも出来ないんで、本当に辛かった。
正直、ここは一度登ればいいかな、と思いました。
他にも登りやすい峠は一杯ありますし。登坂力を鍛える意味なら、登りやすい峠を登っても効果は一緒だしな、と思いました。

あ、オリンパス TG-4 ですが、F2.0の明るいレンズ、なによりフィッシュアイコンバーターの写真が楽しい!
このあと、いくつか持ち出してるんですけど、アートフィルターでアレンジした写真もなかなか楽しめます。
大ダワの帰り道

フィッシュアイコンバーターがその特殊性を発揮するのは狭いスペースの時かな。
帰りの電車
東京都の道なんで、もう少し道が綺麗になったらいいな、と思う大ダワヒルクライムでした。
もっと遠くを走りたい。好きなだけ、好きなところを走りたい。